家族に負担をかけないための生前準備の必要性

「家族に迷惑をかけたくない」
「何から準備したらいいのかわからない」…

当事務所が、各地でセミナーや講座を開催すると、必ずと言っていいほど、お客様からこのような声が上がります。

終活について、これといった法律的な明確な定義があるわけではありません。しかし、終活をしていないことで起こる問題は必ずと言ってよいほど法律的な問題が絡みます。その結果、残された家族などに精神的・物理的(特にお金)な負担をかけることになり、自分の意志が反映されない事によるトラブルもあります。

特に、終末期医療の現場では、命の選択を家族など、ご本人の代理となる方が選択を迫られるなど、非常に重く辛い選択を背負わせることになります。そのようなことを避けるために、元気なうちに、出来れば60代で終活を終えておくことが理想です。

終活をしていない場合に起こること(主な問題点)

Danger

残された家族の大きな負担(混乱・労力)

終活をせずに亡くなってしまうと、家族が様々な面で大きな負担を強いられ疲労困憊してしまいます。

「葬儀・供養」

まず、死亡後すぐにある儀式である「葬儀・供養」に関して、その方法や決定について悩みます。故人の希望が全くわからないため、残された家族は「故人はどうしてほしかったのか」と想像するしかなく、悩みながら、時間のない中で急いで葬儀の形式を決めなければなりません。そうなると、深く考える間もなく選択しなければならないため、様々なトラブルや後悔が残ったりすることもあります。

費用や段取りについても、家族が全て手探りで進めるため精神的に疲労感が増します。

死後の事務についてはこちら

死後の手続き・連絡先がわからない

エンディングノートを準備していなかった場合、銀行口座、保険証券などの財産関係、年金、クレジットカード、の情報がわからない、故人の友人や知人など交友関係がわからず、探し出すのに膨大な時間がかかり大変な労力がかかります。
また、デジタル遺産と言われる、スマホやパソコンのなかに大切な情報がしまってある場合は、パスワードがわからないと、探索が困難になる、いつまでも解約できず金銭的な負担も増すなど、残された相続人が非常に困ってしまいます。

死後の事務についてはこちら

Danger

自分の希望が叶わない

もしもの時に、自分ののぞみが叶わない

特に、終末期医療の現場では、本人の明確な意思が確認できない場合、本人が延命を希望していなくでも、家族や医師の判断で治療方針が決められてしまいます。また、本人が明確な意思を遺していない場合、残された家族が命の選択をせねばならず、非常に重く辛い経験をさせてしまうこともあり、多くの遺族がご本人の死亡後も延々と何年も後悔をひきずる特に、終末期医療の現場では、本人の明確な意思が確認できない場合、本人が延命を希望していなくでも、家族や医師の判断で治療方針が決められてしまいます。また、本人が明確な意思を遺していない場合、残された家族が命の選択をせねばならず、非常に重く辛い経験をさせてしまうこともあり、多くの遺族がご本人の死亡後も延々と何年も後悔をひきずることはよく聞かれます。

また、認知症等、判断能力が低下した場合に、自分の財産管理を誰に任せるか決めてしっかりとした書類(任意後見契約)にしていなかった場合、自分の面識のない裁判所が選んだ後見人が財産管理することもあります。

任意後見についてはこちら

Danger

財産の分け方でトラブルが起こる(争族)

遺言書がない場合のリスク

遺言書がない場合、財産をどう分けるかについては、相続人同士での話し合いで決めます。
いくら仲の良い家族であっても、年を経るごとにそれぞれ価値基準も違ってきて、兄弟姉妹同士の争いに発展することも少なくありません。
また、これまで友好的だった家族でも、相続手続きを機に亀裂が生じたりすることもあります。

遺言書についてはこちら

おひとりさまの遺産の行方

独身の方、身寄りのないおひとりの方が遺言書を残さなかった場合、法定相続人がいない場合、最終的にその方の遺産は国のものになります。この国のものにする手続き自体、非常に煩雑で、お金のかかる手続きです。残された周りの方が、裁判所のお世話になりこの手続きを進めるにしても、非常に疲労困憊してしまいます。また、故人がお世話になった人や慈善団体への寄付を希望していても、遺言書を残していないと、その希望は叶いません。
遺言書についてはこちら

このように、終活は、もしもの時のリスクを減らし、残りの人生を自分らしく安心して過ごすために有効な手段です。
また、終活をするにしても、しっかりと考えて実行する必要があるため、まだまだ元気な60代のうちに終わらせておくことが大切です。70代に入ってからだと、人によっては判断能力の低下が見られたり、体力の低下により、様々なことが億劫になる方もいます。まだまだ元気で十分に気力のあるうちに終わらせることがポイントです。